8/31（水）晴
再びサン・ピエトロ大聖堂訪問です。 今日は謁見場にてローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の教皇謁見を受けるのです。 謁見に先立ち大聖堂内の大教皇レオの祭壇 altare di S. Leone Magno にてミサです。 謁見場はサン・ピエトロ大聖堂の左側にあります。 スイスの衛兵が警護している門を通り抜け謁見場に入ります。 ここは広大なホールになっています。 世界各国から巡礼団が沢山来ています。 私達の指定席は一番前から二番目の集団でした。 教皇に捧げる歌の練習に余念のないポーランドからの巡礼団が眼を惹きます。 ヨハネ・パウロ2世はポーランド出身の教皇です。
いよいよ教皇様登場です。 多数の枢機卿を引き連れています。 まずはラテン語で「主の祈り」です。
Pater noster, qui es in caelis: Sanctificetur nomen tuum: Adveniat regnum tuum: Fiat voluntas tua, sicut in caelo, et in terra. Panem nostrum quotidianum da nobis hodie: Et dimitte nobis debita nostra, sicut et nos dimittimus debitoribus nostris. Et ne nos inducas in tentationem: Sed libera nos a malo.
次いでおつきの司会の司祭が各国からの巡礼団の紹介をおこないます。 続いて教皇様の各国の巡礼団へのメッセージが各国語で長々とあります。 一つ一つメッセージの度にそれに答えて巡礼団が立ち上がり、あるいは手を振り、歌を歌います。 もちろん日本語ででもメッセージはあります。 「千里ニュータウン教会の巡礼団の皆さん、今日まであちこちを巡礼されましたがその経験を実生活・実社会に生かさなければその巡礼の意義は失われるでしょう」と短く日本語で述べられますと、思わず皆喚声です。 そして手にした日の丸の小旗を振ります。 口々に「神に感謝！」です。
そしていよいよ教皇様が皆のところへ降りてきて順番に祝福を与えます。 皆一斉に仕切の所まで駆け出します。 教皇様の祝福を受け、手を握りたいからです。 こういうときは女性は凄いですね、男性なんかそっちのけで我先にというかバイタリティーは凄いものです。 間近に祝福を受け、また教皇専属カメラマンがそこを写真に取りあとでホテルに届けてくれ焼き増ししてくれます。
ヴァチカン美術館、システィーナ礼拝堂も見学します。 それからローマ市街の南東のアッピア街道の始まる場所、サン・ジョバンニ門を東へ行ったところにあります十字架の教会 サンタ・クローチェ・イン・ジェルサレンメ S.Croce in Gerusalemme に行きました。 ここにはその名の通りエルサレムのキリストの十字架などの聖遺物が保管・陳列してあります。 これらはコンスタンティヌス大帝の母ヘレナがエルサレムから持ち帰ったものです。
サン・ジョバンニ広場に引き返し、今度は四大司教座大聖堂の三つ目、由緒あるサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂 S.giovanni in Laterano 訪問です。 これもコンスタンティヌス大帝が313年ころに建立しました。 内部は巨大な五廊式で壁龕（へきがん）には巨大な十二使徒の像が置かれています。 聖ヨハネ大聖堂という名前にも関わらず、聖ペトロと聖パウロの頭部の聖遺骨が納められています。 ミラノ勅令からアビニオン幽囚時期までは、ローマ司教のすなわちローマ教皇の牙城でした。
大聖堂を出てすぐ左前の聖なる階段 サンタ・スカラ Scala santa も見学です。 膝で階段を登りサンクタ・サンクトゥールム礼拝堂を拝むのです。
9/1(木）晴
朝からスペイン広場、コロッセオ、真実の口などを見て、アッピア街道を南下します。 途中ドミネ・クオ・ヴァディス教会 Domine quo vadis? があります。 言い伝えによりますと迫害によりローマから逃げる途中のペトロの前にイエズスが現れました。 ドミネ・クオ・ヴァディス（主よ何処へ行きたもう）？ と問うペトロへイエズスはエオ・ローマム・イテルム・クルキフィーギー（ローマへ今一度十字架に架かるべく赴かん）と答えました。 その言葉にうたれたペトロはローマへ引き返し殉教を遂げました。
カタコンベ到着です。 地下に幾層にも通路がありお墓が並んでいます。 聖チェチリア Cecilia の殉教の像もありました。 地下祭壇でミサ。
最後に四大司教座大聖堂の四つ目、城壁外の聖パウロ大聖堂 S.Paolo fuori le Mura も訪問です。 この大聖堂はサン・ピエトロ大聖堂に次ぐ大きさを誇っています。 ローマの旧城壁の外側、サン・ピエトロ大聖堂からティベレ川下流方向、南南東約5.3 Kmのところにあります。 ファサードが陽に照らされとっても綺麗です。 前に巨大なパウロの石像がありました。 ここの鐘楼はその独特の形状から「灯台」と呼ばれています（写真 下右）。
ローマ国際空港から再びエジプト航空にてカイロに引き返し（MS790便）、その日は飛行場近くのノボテル・ホテル Novotel Cairo Airport に泊まり、翌朝 MS864便にてカイロをあとにし9月3日無事成田到着です。 JL125 便で伊丹着、解散です。 お疲れさまでした。
おしまい
12/29-30/1999
改訂 02/24/2001
増補 09/06/2001