今日は「重陽の節句」です。 9と9とが重なりとっても縁起の良い日なんですよね。 しかし暑いですね今日は。 少し雨が続いて秋らしくなったと思ってましたのに、台風15号か16号の影響でしょうか。 東風（こち）が吹いています。 東風と云えば思い起こされる道真（みちざね）の「こちふかば にほひをこせよ むめのはな あるじなしとて はるをわするな」ですが、異様に暑い熱風です。 こんなに暑い東風は初めてです。
先日からNOMIは船底塗装工事に入っています。 いつもはクルーだけでやるのですが、キールの付け根の亀裂が前々から少し気になっていたので、今回はプロに任せることに。 徹底的に綺麗にしてもらいましょう。
と云うことで艇は陸にあがっています。 艇に乗れないと見るや、大方のクルーは見に来ようとはいたしません、どーいうこっちゃ。 頭坊様と無牙は、またまた海外旅行、乳海は和田山で野良仕事、嚥玉は埼玉方面で野暮用が、脂海は博多方面でゴルフ、遅海と道恐は琵琶湖方面でディンギーに。 結局艇修理工事の点検に来たのは、艇長様と誤航様と鼠海と厨禿だけ。
架台に載ったNOMIをプロがサンダーかけてます。 暑いのにゴクローさん。 まあこれが仕事やからしゃーないわなあ。 塗料は殆ど剥がされて白い船底があらわになっています。 キールの付け根やキールの下を仔細に眺めます。 別に前からの細い塗料の亀裂くらいでしょうか、目に付くのは。 ウィング部分の先の下面は鉄さびが浮いています。 ここで初めて気がつきました。 このウィングド・キールってキールの下面とウィングの先端の下面は同じ高さにあるんですね。 キールはしかも断面は台形で底面積がかなりあります。 これだったら、仮に、砂地に座礁しても軟着陸して艇は真っ直ぐ立ってられるでしょうね、潮が引いても。
プロのジャマをしてもなんですから、KYCレストランに行ってビールでもいただくことに。 四人ですからピッチャーを注文です。 それとおつまみは、艇長の好きな玉子巻きとコロコロ・ステーキです。 さあ乾杯です。 ああ、美味しいな、今日は暑いからよけい美味しく感じられます。 四人くらいで飲むなら生ビール・グラス注文より、こちらのピッチャーの方がお得です。 思わず二杯目注文します。 おつまみもやって来ました。 これだけでは足りないので、明太子スパゲッティ、オムライス、印度カレーに、さらに三杯目のピッチャー注文です。
さあお腹もいっぱいになった事ですし、まだ早いし、暇つぶしに「武庫」でも行こか、と艇長様。 厨禿は嫁に呼ばれて帰宅です。 ポンツーン歩いていますと、ヨット○○の○さんが台風対策の増し舫（もやい）の準備に余念がない模様。 今日はいつものアプフェル・エッサーは居ない模様。 「武庫」に着くと、やっぱりいらっしゃいました、Ishzchさん。 それにいつものFjtはんとKnshtさんもいらっしゃいます。
乗船許可願います、どうぞどうぞ、と云うわけで三人でキャビンの人になりました。 まあまあビールでも、イヤ今ツイさっき飲んできたとこ、ほな、ワインでも、イヤ、スピリッツがよろしなー。 勝手に某ブランデーXOなんぞ、水割りでいただきます。 このごろ艇長様、強い酒は薄めて飲まれます。 以前は、酒を水で割るヤツはBAKAとかなんとか仰ってましたがね、ナニには勝てない模様。 どうもどうもIshzchさんいただきます。 それにしてもアンタとこはヨー来るけど、テブラリーやなと、婉曲表現で、持ってまわって責められます。
今度なー、ワシ、クラブ会誌にYmgchさんを偲んで文章書かかなあかんようになったんやけど、アレ書くでアレ。 そうあの「偲ぶ会」でスピーチされたあの話、NOMI艇長様が、スピーチ中にもうやめてーな、と叫ばれた、あの話。 そう、「号泣事件」の話です。 またまた同じ話が蒸し返されます。 事件は奇しくもこの「武庫」艇のキャビン。 同席者は当事者とIshzchさんとKnshtさん、ちゃんとその時の関係者みんな居てるやないの、亡くなられたYmgchさん除いては。
古い話です。 台湾で造られたYmgchさんの「ガニメーデ」。 建造当初から、積み込み機材の設計ミスで、もちろんヨット設計素人のYmgchさんのミスですが、バランスが悪くて少しスターボーかポートに傾いていました。 それをずーっと気にしておられたのに、NOMI艇長様ったら、云わんでもええ事を、云ってしまわれました、このキャビンで。 風もないのにヒールしてますなあYmgchさんの艇ですって。 きっとあの大きなお腹の横あたりにあった「逆鱗」に触れてしまったんでしょう。 Ymgchさんカンカンになって激高してNOMI艇長様をボロクソにお責めになったところ、号泣ですって、号泣。 涙ポロポロじゃなしに、涙ボロボロですって。 もっともここに居られるFjtはんも、別の機会に、Ymgchさんに責め詰（なじ）られて同じように、号泣ではありません、サメザメ泣きで、泣かされたくちですが。
しかし面白い、昔のことは今になれば笑い話です。 尽きない話題にブランデーがいつの間にかカラになりました。 誤航様ったら、云わんでもええ事を宣います。 さあ飲むモンなくなったしそろそろ失礼しょうか、ですって。 モー誤航様、ホントは別の用事があるのにから、照れくさくってブランデーの所為にします。 ホントは誤航様の「初孫」の顔を見に来る、母上の案内をしなければならないからです。 Ishzchさんもコケにされてます。 あんまりおちょくったらイケマセン。
ところで「初孫」って、誰でも「はつまご」って言ってますが、本来は「ういまご」が正しいんですよね。 だって「初産」は、「はつざん」とは言わないでしょう、「ういざん」です。 誤った言葉使いがまかり通っています。 「うい」と言う美しい大和言葉に「初」と言う漢字を当て嵌（は）めたので、と言うか、なまじ漢字が読めるから、元の言葉も知らないで「はつまご」と読んでしまった悲しさですね、いつの人か、誰か、知りませんが。
ちなみに広辞苑などを繙（ひもと）いてみますと「うい」のつく言葉は、どれも美しいと云うか、大和言葉のすばらしい表現力を表しているように感じられます。 「初冠」「初言」「初花」「初枕」「初裳」それぞれ「ういこうぶり」「ういごと」「ういばな」「ういまくら」「ういも」と読みますね。
さあ来週は艇も降架されてることでしょう。 皆集まって試し乗りでもいたしましょう。 もっとも頭坊様と無牙は海外旅行帰国途上のはずですね、来週は、まだ。
09/09/2001