05/19/2001 (土曜日) 於 クラブ・ハウス 3F
先々週からお誘いを受けてました、「武庫」の「Ishdch」キャプテンから、この「Ymgchさんを偲ぶ会」に。 先週もノミに御来艇され出席を促されます。 Ymgchさんはノミにとっても、親しいお方でした。 色々な思い出が、出来事がありました。 走馬燈のように次々と甦ってきます。 まあしかし、いろいろありましたよね、Ymgchさんとは。
夕方いつものパターンで誤航様お迎えです。 艇長様宅から無牙を拾ってハーバーへ。 いつもの朝の何が、夕方になっただけ。 艇長様はワインを持参です。 会場はクラブ・ハウス3階です。 会員専用の海を眺めながら一杯飲めるバー・カウンターのあるところ。 スタディも含めてすべてのフロアを使います。 窓側のテーブルにはグラスが準備されています。 東の壁にはYmgchさんの「在りし日のフォトグラフ」が十枚ほど張り付けてあります。 うーん、これはデジカメ写真に違いない。 きっとIshdchさんがお撮りになった写真がほとんどの模様。
なつかしい方々、久しぶりの方々、御無沙汰している方々が沢山お見えです。 東京方面からわざわざお越しになった方々もいらっしゃる模様。 先ずは「Ymgchさんの在りし日のフォトグラフ」に向かって黙祷をささげます。 続いて献杯です。 こちらのスタディの拙たちのソファ・テーブルまでワイン・グラスやワインが廻ってこない内に献杯が始まってしまいました。 段取り、どもならんなあ。 まあええでしょう、Ymgchさんに免じてガマンです。
Ishdchキャプテンのスピーチが始まります。 このお方、前KYC理事長です。 古くからのメンバーです。 KYCの生き字引でしょうか、もちろんYmgchさんとも古くからのおつきあい。 Ymgchさんのヨット「コテルテル」の時代のビッグ・ボート・レースのお話、それからイギリスで1979年に開催されたアドミラルズ・カップ・レースの「コテルテル」出場の時のお話などなど。 Ymgchさんは、数々のレースでノミ・キャプテン以下、拙達と共に戦った仲間です。
その後レースからは拙達ノミ号と同じように引退され、ブルー・ウオーター派に転向されました。 そこでお造りになったのが、「ガニメーデ」(Ganymede)という「木星の最大の衛星」の名前を付けた台湾製の特注クルーザー。 このネーミング、もともとギリシャ神話にでてくる、神々のために酒の酌をするようZeusによってOlympusの山へ連れてこられたトロイの美少年の名前です。 Ymgchさんはお酒もよく嗜（たしな）まれましたが、何よりもお料理を、クッキングをするのがとってもお上手でしたから、このようなネーミングの、特性厨房を備えたクルーザーをお造りになったのでしょうか。
拙達もわざわざ台湾まで出かけて、「陳振吉造船廠有限公司」での "Ganymede" 建造の進捗（しんちょく）状況を視察したことがあります。 もちろんYmgchさんの御提案に皆のったわけですが。 うちそろって台北市は來來大飯店（ライライ・シェラトン）で宿泊です。 Ymgchさん、Aさん、艇長様に頭坊様等など。 もちろん造船所見学をまっ先にやりました。 どこやら怪しげなクラブにも行きました。 偽物ブランド製造時計店や故宮博物院にも行きました。 足裏マッサージもやりました。 極めつけは萬漢全席でしたか、どれもこれも楽しい思い出ばかりです。
台北市内の汚い屋台にわざわざ朝粥を食べに行ったり、鶏の丸焼きを買ったりとか、とにかくYmgchさん、食べることに関しては飽（あ）くなき追求をする方でしたね。
いざ日本にその艇が入ってきたのはいいのですが、ポンツーンに舫（もや）っていても何だか、風もないのにヒールしています。 どうもYmgchさんのご自身の設計で、冷蔵庫とか厨房機器や発電機の設置場所のバランスが、素人の悲しさで、ちゃんと出来てなかったんでしょうね。 それを後日うちの艇長様が、Ymgchさんに鋭く痛いところを突くように、武庫の中で、Ishdchさんと三人の席で仰って、返り討ちにお会いになったとか。 それを懐かしそうにIshdchさんたら、この「偲ぶ会」の席上、皆の前で暴露されました。 艇長様、苦虫（にがむし）を噛（か）んだようなお顔をされてました。
しかしその「ガニメーデ」も、関西方面を襲ったいつぞやらの台風のために、敢（あ）えなく沈没してしまいました。 新西宮ヨット・ハーバーが出来てすぐの事でした。 防波堤、消波設備が未だ整ってなくて、しかもYmgchさんのポンツーンは反対側の岸壁から舫（もやい）のラインを取るボラードあるいはビットが無くって、最初から新西宮ヨット・ハーバーの責任者に設置することをYmgchさんは要望されてましたが、無視されていました。 それで案の定と云うべきか、不幸な結果になってYmgchさん怒り心頭で、その沈没艇の撤去を拒まれ、しかも当局の不備を非難する、高札（こうさつ）を沈没艇の前に掲（かか）げられました。 昨日のことのように思い出されます。
結局その後は某道路公団（なぜ道路公団かと云う理由は長くなるので省略します）から補償が出て、「スワン」の中古艇を外国から調達なさいましたが、クルーとか色々問題があって、その艇も手放され、とうとう「艇を持たない艇長」になられました。 そしてIshdchさんの「武庫」に入（い）り浸（びた）って、毎日曜日「武庫」でお料理をなされる日々を送っておられましたっけ。
お話の後は、簡単なお食事が出て、皆で思い出話とか、旧交暖め会とかになりました。 艇長様御持参のシャトー・マルゴーとシャトー・ムートンのセカンド・ワインを抜栓です。 うん、行ける行けるこのワイン、セカンド・ワインとバカにしてはいけません。
さあ、かなりアルコールもお食事もいただきました。 三々五々解散です。 今日はやっぱり来ておいてよかったね、懐かしいお顔にもお目にかかれたことですし、それだけでも来た甲斐はありました。
それでは、Ymgchさん、楽しい思い出と共にさようなら。
05/20/2001