（乳海 記）
2000年9月15日、神戸港より天津に向かって出港した「乳海」は、中国の西安より敦煌を経てシルク・ロードを西へ。 タクラマカン砂漠を越え、カシュガルからパキスタンの地へ。
■09/28/2000 新絳/中華人民共和国発
ノミ御一同様。 神戸-天津3日、北京-大同-太原-新絳と廻り12日目。 新絳では従兄弟の陳先生と会う。 この街は唐よりの公園が残る古都。 あの懐かしいコエタンゴを積んだ馬車が闊歩し明清時代の城塞が立ち、その横道に疎水が引かれ、そして露天が並ぶ。 そのひとつにぶらりと入り昼食を。 鶏蛋餅、□糖油擦□料を頼む。 8元（120円）。
旅人と見ると親しげに声をかけてくる。 中国語はかなりこなせるようになる。 また街に入る。 40年前の日本がよみがえる。 大きな駕籠車で30 cm 四方もある石炭を馬が引いている。 ふいごつき豆炭ストーブ、ブリキ屋、イカケ屋。 鐘楼に登ると河北省は実りの秋、豊かな夕暮がせまる。
雄大な城壁
■09/29/2000 平遙/中華人民共和国発
この平遙は古都、歴史小説の街、城塞都市がそのまま残っている、世界遺産の街である。
起床0630、陳さん夫婦と0730 HOTELよりぶらりと新絳の街に出かける。 朝食は3人で露天の豆雑炊、マントウを食べる。 ふわりとして塩加減が腹に心地よい。 1100ミゼットのようなミニ・タクシーにて陳さんと2人候馬に向かう。 15K程、柳、ポプラの並木。 農民達が収穫したヒエ、アワ、コウリヤン、トウモロコシを天下の大道に堂々と広げている。 その上を車がバシバシと音を立てて走り、そのモミを落とすしかけだ。 数少ない人以外の動力だ。 ロバ、馬、牛たちがのどかにスキを引いている。 来春の小麦のための床作りだ。
候馬より西安へ汽車にのる。 6時間の道のり。 2等車は意外とすいている。 小姐が親しげに話しかけてくる。 車窓の眺めは北京-大同-太源-新絳すべて同じだ。 時々はっとする美しさでザクロのたわわに実る木が過ぎ去る。 それ以外は悠々の流れである。
古代民居の庭
■10/06/2000 ウルムチよりの車中/中華人民共和国発
これよりカシュガルまで約1,300km行程です。 お見送り本当にありがとうございました。 友人の皆様にもヨロシクお伝え下さい。 10月5日ウルムチに着。 約5000km余の鉄道の旅。 河北よりウイグル地区を彷徨すると、よく民族文化の流れがわかります。 大同は半分が荒々しいモンゴルムード、荒々しいむき出しのもの。 西域に入ると回教、トルキスタン、ウイグルの混合、白系ロシア人のムードもあり楽しませてくれます。
旅は快適、中国人は実に親切、話しかけ少々の中国語で身元がわかると、やたら世話をしてくれ、食事までいただいたこともあります。 さてNHK西域の旅ってロマンチックでしょう。 しかし現実は敦煌、函谷関など500-1000台も入るパーキング場がフル。 奇抜なHOTEL群。 日本人と見ればやたらぼったくる、金払いが良いのでネライ所。 一方ピンリン、シースークー等のように黄河奥まで入ると、随・唐の中国をかいま見ることが出来ます。
■10/17/2000 Hunza/Pakistan発
ノミ御一同さま。 10月17日憧れのインダス上流SKARDU スカルドに入りました。 12時間GILGIT ギルギットよりバスにて着。 ホテルの庭にはダリア、バラ、コスモスが晩秋を惜しむように彩っております。
中国の旅はどの街も活気に溢れ荒ただしい日々でしたが、ここHUNZA フンザは、まさしくシャングリラです。 7,000-8,000メートルの高峰が、天に聳(そび)えております。 村人は柔らかい物腰、はにかみ、しかし必ず声をかけてくれます。 リンゴがたわわに実り、もぎたてのナシ、リンゴを手渡してくれます。 貧しい人たちですが、旅する人に快いもてなしをしてくれるのです。 中国人もそうですが、パキスタン人も心和(なご)む国民です。
これより5日間、K-2 8,611m を望見するトラッキングに入ります。 またお便りを差し上げます。 11月下旬にはカスピ海に入る予定です。
Altit砦(パキスタン-フンザ渓谷)：杏の花の中にそびえるAltit砦は過去幾世紀にもわたって旧シルク・ロードの監視塔としての役目を果たしてきました
■11/14/2000 Ankara/Turkey発
ノミ御一同さま。 湾岸諸国3ヶ国を旅した後（イランのVISAは取得できず）ISTANBUL
イスタンブールを経てANKARA アンカラに着。 アゼルバイジャン、グルジアのVISAを得た後に、黒海沿岸をたどりカスピ海をめざします。 約20日間の日程。
中国、パキスタンで約40-50日間。 食事、人、音楽等々文化とは興味深いものです。 パキスタンでは毎日チャパティにカレー。 同じカレーでも一品一品違いが判るようになりました。 ベールの女性はそれはATRACTIVE アトラクティブな愁いを含んだ眼差しであります。 しかしUNTOUCHABLE アンタッチャブル。 BUS バス内も完全に網で囲われ分離されているのですから。 しかしパキスタン人は人なつっこい国民で、いつも昼飯などを馳走してくれたりいたします。 またカスピ海より筆をとります。
フンザの昔ながらの家々（パキスタン北部）
■11/25/2000 Baku/Azerbaidjan発
旅に出て70日余、中国、パキスタン、湾岸諸国、トルコ、グルジア、アゼルバイジャンと廻ってきましたが、旧共産諸国の悲惨さは相当なもの。 資本主義経済との戦争に負けたのか、あるいは自己崩壊をしたのか、工場という公共物は今やガレキと化しモラルも退廃、あらゆる街、国道はゴミが散乱、経済といえるものは運送業、個人店にすぎません。
昼間は当然首都であり乍らも停電、YAMAHAのgenerator を店の前にて作動し電力を起こしているのです。 国家は各個人と同様に個性を強く持つものです。 個性が発揮できなかった国が旧共産主義でしょう。
バクー：15世紀のシルバン（アゼルバイジャンの古代王国名）の石作り霊屋
■
イスタンブールより黒海、カスピ海をめざして12日、11/25 TBILISI、GEORGIAグルジアより汽車で14時間、BAKU に着。 今カスピ海を見つつ筆をとっております。 元共産主義国家は完全に経済が崩壊し国民は貧困にあえいでいる様子。 一方マフィアが顔をきかし、ベンツ、BMWと我が物顔に街を走り回っております。 国家の経営するこのホテルに泊まっていますが、4階5階のみが使用、他の階は空洞です。 当初100ドルが値切ると30ドルになるのですから。 またGEORGIAグルジア は国家全体がマフィアであります。 ワイロ、ワイロ、税関員、領事館にいたるまで。 ワイロを出し少し値切ったりしつつ旅をしております。 しかし国民は親切。 その人の良さには驚くほどです。 トルコでは医者、先生と知り合い家に招待されすばらしいひとときを過ごすことが出来ました。 身体すこぶる良好であります。 30日にイスタンブールに戻ります。
バクー：ホテル「アプシェロン」
■11/28/2000 Baku/Azerbaidjan発
黒海、カスピ海沿岸の旅目的がかないました。 約2日間、約500Km、BAKU
バクーより南下しイラン国境を観、バクー BAKUに戻りました。 グルジア、アゼルバイジャンはガイドブックもなく英語も解する人皆無であり、唯々困難な日々でしたが、それゆえに達成感、極まるものがありました。 さすが乳海です。(ママ)
本日11/28 二日間をかけイスタンブールに戻り、ギリシャ、ブルガリア、ポーランド、バルト三国に入ります。 寒さが待ち受けております。 体力、気力すこぶる充実。 ありがたいことです。
ギルギットにようこそ（パキスタン北部）
■12/04/2000 Istanbul/Turkey発
旅に出て75日目。第一黄河、第二インダス、第三黒海・カスピ 計15,300km少し困憊し今イスタンブールにて体力回復中。 イスタンブール-カスピ往復6,200kmは、ガイドブック地図も満足になく、またグルジア、アゼルバイジャンの官吏はワイロを破格に要求。 その都度値切るのに大変でした。 バクー-イスタンブールは貨客バス2,750km61時間。 悪路の山道それに寒さ。 2,500m級の峠を越えて行くのですから。
しかし今はハッピーです。 ボスポラス、ブルー・モスク、セント・ソフィアを両横に見、グルジアのワインを飲み、あの朗々として歌うオスマン音楽を聴きつつ筆を執っております。 ボスポラスは4度目、すっかりこの魅力にとりつかれております。 当地に4日程ゆっくりし、これよりギリシャ、ブルガリア、マケドニアに。 憧れのイコン、ビザンチンの華より続いている修道院をもうすぐ目前にすることができます。
Young Woman dancing
■12/07/2000 Hotel ROCA COCA/Meteora/Greece発
トルコ約20日間多数のドクター、教員に会い話し込み、深く彼らの文化習慣が解り、かつ多数の友人が出来充実した日々でした。 カスピの風景も見応えのあるものでした。 そして200年に一度の震度7の地震にも遭遇したのですから。 体調全く良好。 少し寄り道し3度目の正直メテオラをやっと目にすることが出来ました。 イスタンブールより16時間、月夜での巨岩の上に建つホーリー・モナストリー（聖トリアダ修道院）は唯、言葉なく唖然また感激。 教会より鐘の音、クリスマスのイルミネーションが街を美しく装っています。 約2ヶ月間イスラム国家を廻っていたので、ひさしぶりに本日宿にて特大のポークチョップを囲炉裏で焼いて貰いました。 桃色吐息ッポイ音楽とワインを飲み、それは満足。 23年前のギリシャはEU加盟国家だけあり実に見事に成長。 街々は観光立国、そして実に美しく、ホテルもしっかりしております。 それだけに旅の興味は少し失いますが。 明日ZAGORHORIAに向かい、TETHARONIKIより12/10くらいにソフィアに向かいます。
■12/12/2000 Rila Monastely/Bulgaria発
THETHALONIKI テッサロニキより国際列車にてBULGARIA ブルガリアに10時間。 BUS バスにて4時間、徒歩にて50分。 やっと目的地の一つ、このRILA リラ修道院にたどりつきました。 10世紀に礎かれたこの院はまさしくビザンチン芸術の粋を集約したものと深く心を打たれました。 ICON イコンは寺院全体に描かれシンプルSINPLEな筆のタッチ、色合いは宗教を信じる信じない以前に吸い寄せる力を持っているようです。 黄河、インダス全ての文明・文化はやはり宗教に帰結するようです。
これよりSOPHIA ソフィアにむかい32年前に感激したORTHODOX CHURCH オーソドックス・チャーチのICON イコンと再開。 後ROMANIA ルーマニアにむかいます。 2月に帰国予定です。 お体御自愛下さるよう。
リラ修道院（ブルガリア）：修道院長館の聖堂内にあるブルガリア諸聖人のイコン
■12/22/2000 Moldovita/Romania発
当方はブルガリア国境（ルーセ）からドナウ川を渡りブカレストに20日に着。 1日ステイした後1等車400Km（10ドル）にてスチャーヴア（モルドヴァ、ウクライナ共和国国境に近い町）に着。 30ドル（1日）タクシーをRENTし世界有数の修道院を廻ってきました。 まだ100-200年前が生きている国、北に上昇するにつれ食事は単一的な味になります。 国民は北国故に静かというか、沈んでいるというか、貴女様のタイプでは到底ありません。 これより同国トランシルベニア山地ブラショフ（ドラキュラで有名）に行きオラーデア経由にてハンガリー・ブダペストに向かいます。
モルドヴィツァ修道院（ルーマニア）
■12/28/2000 Budapest/Hungary発
19,200Km、やっと旅2/3が終わり、今ホッとしております。 BUDAは温泉旅館にてステイSTAY。 ゆっくり神秘的な風呂につかり、トカイ、メルニック・ワインWINEを飲み、夜はオペラハウスにて日々すばらしいバレー及びトスカ、さまよえるオランダ人、ボエーム等のオペラを楽しんでおります。 一等席で1,500円。
これより地中海の花DUBROVNIK ドゥブロブニク / CROATIA クロアチア -SLOVENIA スロベニア -MUNICH ミュンヘン に向かいます。 クリスマス23-26日、バス停で10名男女学生と友人に。 彼等の宿舎にてDISCO ディスコ 、社交DANCE ダンス と、すっかり学生に戻り、ボインボインのルーマニア女子学生と踊りあかした3日間でした。
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ブダペストにて温泉につかり、ワインを飲み、日々バレー、オペラ、コンサートを聴いております。 最高の席で1,000円、そしてすばらしいムード。 幕間（まくあい）にワイン、シェリーなんと1グラスが150円、それもトカイの一品ですよ。
12/23バス停にて10人の学生に会い、一日共にし、24、25のクリスマスを彼等のホテルで大パーティー。 300人ほど各地の男女学生が集まり、2000-0300。 SocialとDisco。 若い人達と大いに語らいかつ踊り、食べ、飲み、すっかり学生時代に戻ってしまいました。 そんな訳で明るいルンルンのクリスマスをローマリアで過ごせました。 これよりクロアチア、ドゥブロブニク、ザグレブ、スロベニア、リュブリャーナ、ミュンヘン、プラハ、クラクフ、ワルシャワ、カウナス、リガ、タリンの旅程です。
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お元気ですか。 旅に出て105日、2/3になります。 東欧に入ると人々はなにか落ち着きアジアと異なり人間に動きがあまり見られなくなります。 文化的にも心を揺り動かす本能的なものが少なくなり、全てが整然、順序だったもへと変わってきます。 楽しみは、各都市で開かれる年末のコンサート、及びワインと料理です。 元々、彷徨が性にあっているのか精神的には実に活発、常に好奇心のかたまりが奥地への旅にかりたててくれております。 バルトまで後30日、ゆっくりとコンサートめぐりをいたします。
ハンガリー国立歌劇場
■01/04/2001 Sarajevo/Bosnia-Hercegovina発
お元気ですか、当方走行22,300Kmとなり、昨日DUBROVNIK ドゥブロブニク よりSARAJEVO サラエボ に。 クロアチア国境よりボスニア-ヘルツェゴビナに10分も入ると惨憺たるもの。 各町、村々は一軒一軒丁寧に破壊、壊滅。 弾痕の跡もすざまじいものがあります。 その憎悪が機械的になされたものではなく、掃討作戦であったことがよく判ります。 戦うエネルギーと狂気。 戦争、宗教の紙一重の強弱。 少し本日は鬱になっております。 しかし2/3以上の戦災の中、市民は平然と前を見、きたるべき春を待ち、働き、笑い、スラブ族の真の強さを見せております。 彼等は1,400年もの間、戦ってきてるのですから。
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12/31車中にてHOTELのオーナーに出会い、彼のホテルでの大パーティに招待され、正月3時までマジャール美人達と踊り明かし誠に御機嫌でありました。 このDUBROVNIKはアドリア海の真珠、まさしく全てが大理石で装われた16世紀の街並み。 本日バス8時間余にてサラエボ-クロアチア国境より10分も入ると、町、村落全ての家々が弾痕（だんこん）の跡（あと）もすさまじく、ヒンムクレ内戦にて破壊。 同じ人種なのに宗教が異なるとこれ程までに憎悪を持って戦うことが出来るのかと唯々仏教徒の私は唖然としております。 今はNATO平和部隊が入り、平和。 街の内も活気が戻り、イスラムとキリスト教の渾然たる文化が旅人を楽しませてくれています。 これよりSLOVENIAスロベニア-LJUBLJANAリュブリャーナに向かいます。
■01/09/2001 Ljubljana/Slovenija発
スロベニアの首都リュブリャーナに1/6着。 川の町、東欧というより西側、物価もあっというまに日本並みになってしまいました。 本日1/9BLEDにSTAY。 小さな湖の真ん中に白亜の教会が建ち、周囲はアルプスが雪をかぶり、実に深淵（しんえん）なムード。 宿も木造で食事ワインビール全て結構ずくめ。 故ISTANBULよりの疲れをとるため3日間ゆっくりとすることにいたしました。 このカードの洞窟は1818年に発見。 200年間観光地です。 驚くべきことにこの洞窟の中、観光用トロッコが走っているのですよ、約8Kmも。 でもケンタッキーのマンモス・ケーブに比べると少し小さいものでした。
ポストイナ洞窟（シュコツィアン洞窟群）
■01/11/2001 Christian家/Ulm/Germany発
このカードのBLEDより、10日ウルム、ミュンヘンより列車1時間、郊外にある瀟洒なクリスの家に着。 8年ぶりすばらしい一室を用意してくれ、一流ホテルなみ、３日間世話になることにしました。 Tさん宅はここから一時間ほど故本日夜電話し都合をうかがうことにしました。 ひとつ驚いたことがあります。 クリス宅にO君より小包が届いておりました。 お茶漬けおかゆ等など盛りだくさん、友人とは唯々ありがたいものです。 Tさん宅よりBERLINに一泊後プラハ、クラコフ、ワルシャワに入ります。 また電話します。
ブレド：自然の神秘と啓示の関わり合い
■01/12/2001 Ulm/Germany発
惨状惨憺たるボスニア-ヘルツェコビナより、SLOVENIA スロベニアに。 この国は小スイス、平和そのもの。 国境とは不思議なものです。 32年前グァテマラ-ヒッチハイク中友人になったドイツ人宅にて4日間ゆっくりと体を休めており、これより BERLIN ベルリン-PRAHA プラハ にむかいます。 旅の終わりが近づいてまいりましたが、まだRIGA リガまで3,000Km。 シベリア鉄道が残っております。
「ARANYHAJO FOGADO(金の船)」：ウルム市の中心にある昔からの家族的なホテル（右端白囲みの建物）
■01/14/2001 Ulm/Germany発
お元気ですか。 当方少し東欧より迂回しドイツに。 東より西に来ますと全てが整然と機能し日本と同様。 当然文化は異なるのですが、何かぐっとくる好奇心が湧いてきません。 これよりベルリン、プラハにむかい、少しポーランドとの国境地帯を1週間ほど散策いたします。 バルチック海、リトアニア、ラトビアそしてエストニア。 -20〜30℃の厳寒地。 NOMIで鍛えた力故問題はなく、快適に旅できるものと考えております。 ではまた皆様によろしく。
ドナウ川沿いのウルム：ウルム大聖堂と修道院
■01/20/2001 Krakow/Poland発
32年ぶりのPRAHA プラハは大観光都市に変貌。 プラハの春に訪れた大聖堂は数千人がローソクを灯し悲嘆にくれた沈んだ印象を受けましたが、今やこの寺院も入場料が必要となっております。 この絵はがき（写真
下）の地も史的博物館以外のなにものでもありません。 つい2週間前、肌で感じたヘルツェゴビナの戦禍もすぐに史的になりまた繰り返されるものなのでしょうか？
アウシュヴィッツ記念博物館：主看守塔と収容所門-レールはガス室と焼却場へ通ずる
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体調頗（すこぶ）る良く、日々-10℃の街を元気に歩いております。 本日ナチによりユダヤ他ポーランド人等150-200万人が虐殺（ぎゃくさつ）されたこのカードの地を訪れました。 KRAKOWよりバスにて1.5時間、白樺、ブナ、ケヤキ等の落葉樹が全て霧氷にて樹氷に変化、この白亜一色の大自然の中にこの凄惨（せいさん）な建物が広大な範囲で整然と並んでいます。 -13℃の中、10人単位で3時間かけて見学、さすがぐったりと疲れ昼食は取ることが出来ませんでした。
収容所を二重に取り巻く通電柵は収容者を外界と隔て逃亡を不可能にしている。
■01/21/2001 Czenstochowa/Poland発
お元気ですか。 本日東欧有数のカトリック巡礼の寺院、チェンストホーヴァのJasna Gora ヤスナ・グラ修道院に参拝。 年間信者100万人以上が開龕（かいがん）に訪問。 この「The Black Madonna」 に跪き、恍惚のひとときを神と共に過ごすことを一生の願いとしているそうです。 本日も-8℃、寒中にもかかわらず数千人の信者（恋人、夫婦、子連れ）がお参りしてるのを見ると、唯々心打たれるものがあります。 1/22ワルシャワに向かいます。
ヤスナ・グラ修道院の「黒い聖母」
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本日THE BLACK MADONNA 東ヨーロッパで有数のカトリック巡礼所、何故か頬（ほお）に二筋（すじ）の傷の付いた黒いマドンナが実に人気があるのです。 年間100万人が参拝に来る由。 本日も数千人が跪（ひざまづ）き恍惚（こうこつ）の眼差（まなざ）し。 私も真似して10分程、しかし唯々足がシビレたのみでした。 さてドイツTさん家にて一泊、芳醇（ほうじゅん）なワイン、チーズ、ベーコン、御主人(193cm)とはワイン2本、ナポレオン1本を空け、彼のアフリカ、インド、シベリア、南米旅行を楽しく聴き語らい、日本での再開を約しました。
■01/21/2001 Krakow/Poland発
このKRAKOWはPolandの古都。 オーストラリアよりの旅人女学生と半日楽しくこの街を歩きました。 残念ながら彼女の祖父も同行でしたが。 この城塞（じょうさい）は世界で唯一残存している実に珍しい優美な建物です。 寺院のように見えませんか？
クラクフ：バルバカン
■01/29/2001 Riga/Latvia発
艇長殿アウフネーメンとの報、旅先より聞き及びました。 暫くルーエ、呉々もお願いいたします。 当方やっとBALTIC SEA バルチック海の国、LITHUANIA リトアニア 、LATVIA ラトビア -RIGA リガ に着。 WARSAW ワルシャワ を過ぎると、「走れトロイカ白樺並木」、白銀そして平坦。 零下の毎日です。 旅人の唯一の楽しみは、冷えたウオッカをグイッと飲むこと。 これぞ北国の悦楽であります。 艇長にワインの飲み方を教えていただきましたが、火酒は胃で親しむことを知りました。
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1/29小包RIGAより送りました。 注意、革手袋内にフィルムが入っています、その中の一本にJEWELRYが入っています。 必ずチェック保管下さい。 艇長アウフネーメン等など大変なことと存じますが少し辛抱下さい。 ロシアVISAが1/31発効Eurasia周遊が出来そうです。 シベリア鉄道に乗ることは旅人にとり、エベレストに登頂するようなものです。 貴女の惜しみない声援に感謝しております。
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お元気ですか。 当方頗る元気。 ツンドラに近い国 Latvia-RIGA に着。 ロシアへのビザ発行を待機中。 リガはセンスの良い北欧的繊細さを持つ街。 オペラ・コンサートも日々充実した出し物を見せてくれます。 日々零下故BARに立ち寄り冷やしたウオッカをキュッと飲む美味しさ。 火酒は胃で飲むことを知りました。 またオペラで知り合った女子学生が一日街を案内、これもまた旅人へのすばらしいGIFTでした。
■02/02/2001 Tallinn/Estonia発
02/01HIIUMAA ISLAND、TALLINN西方120Km孤島に着。 これより折り返し東方に向かいます。 TALLINNは完全に西方化、近代化され街灯も耿耿たるものです。 しかし英語は通じにくく、この島にはしゃべれないホモ2人に案内してもらい無事着。 彼等は実に感じが良くまた丁寧。 やっぱりしゃべれない同志は理解しやすいです。 これよりヘルシンキ-サンクトペテルブルグ-モスクワ-ペキンと成り、多分帰国は2月下旬となるでしょう。
■02/02/2001 Hiiumaa Island/Estonia発
お元気ですか。 旅中艇長のクランクハイト心配しております。 本来なら直にベズーフにあがらないといけないのですが、未だ旅継続中、恐縮しております。 02/01バルト海孤島、海氷の中、フェリーにて渡船。 吹雪のすさまじい-13℃Hiiumaa ヒウマ島に着。 これで全ての旅の目的が果たせました。 明日より東へ、Helsinki ヘルシンキ -St.Petersburg サンクト・ペテルブルグ -Moscow モスクワ -Peking 北京 。 ツンドラのシベリアが待っています。
司教座聖堂と鐘楼（リトアニア-ビリニュス(ヴィルニュス)）
■02/04/2001 Helsinki/Finland発
お元気ですか。 艇長オペにてアウフネーメン、旅中より心配しております。 無事なることを唯々祈るのみ。 2/2日 Tallinnよりフェリー4時間、氷海のバルトを渡りました。 -25℃の蓮氷の漂う灰色のバルトは何か旅人の寂しさを増すようです。 Helsinkiも氷雪に覆われ見るべきものも少なく、本日バス夜行9時間にて、アンナカレーニナの地St.Peterburgに走ります。 モスクワー北京9,300Km7日間凍てつくシベリアを鉄路東へ。 これでユーラシア周遊完結です。
■02/07/2001 St. Petersburg/Russia発
大艇長ゲズントすぐれぬ中、未だに旅中誠に申し訳ありません。 当方厳寒のバルト海（一面に蓮氷が漂流していました）を渡り、ヘルシンキ。 02/06 St. Petersburg サンクト・ペテルブルグに着。 -33℃本年最低とのこと。 寺院、宮殿、人々全てが凍りつき、ネバ川も歩行渡河可能。 これより少し寄り道をし、1,800Km北上、かの有名な不凍港 MURMANSK ムルマンスクに立ち寄ります。 昨夜音楽堂にてベートーベン第9を聴きました。 繊細な静かな歓喜。 国が違うと表現も変化いたします。
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当方2/4サンクト・ペテルブルグに着。 教会、宮殿、ネバ川全てが-30℃の凍てつく中、ガラス細工のように美しく光っています。 女性は少々ハデですが中々美人。 そしてかつセクシーで思わず振り返ってしまいます。 これより少し寄り道をいたします。 ムルマンスク。 サンクトペテルブルグより北上、約1,800Km約5日間でモスクワ着。 2/10位にモスクワより電話する予定。 日本人若者26歳と同行故御安心下さい。
The Church of the Resurrection (The Saviour on the Spilled Blood)
キリストの復活聖堂 / スパース・ナ・クラヴィー聖堂（滴り落ちる血のキリスト聖堂）
■02/07/2001 St. Petersburg-Murmansk車上にて
St. Petersburgより1,620Km28時間列車にて北上。 変わらぬ凍てつく大地、白樺、樅そして雪原のみの世界。 車窓より時おり蛍光色を発し表出しまた消失するオーロラが神秘的。 オリオンも目前にあるかのごとく瞬いております。 大陸の旅は洋上を渡るがごとく、レールの音がゴトンゴトンと限りなく続き、波の音といつしか錯覚、深い眠りに入っていきます。
Собор Воскресения Христова（Спас-на-Крови）
サンクト・ペテルブルグ
復活のキリスト聖堂（スパース・ナ・クラヴィー聖堂）
■02/09/2001 Murmansk/Russia発
St. Petersburg サンクト・ペテルブルグより北上1,620Km
、The World's largest city north of Arctic Circle（北極圏世界最大都市）、ムルマンスクに着（-32℃）。 ロシア有数の不凍港故(ゆえ)、街は整然たる堂々としたもの。 一方港内にて数万トン級の朽ちはてた空母、戦艦、潜水艦が放置されていました。 まさしく船の墓場でありました。 しかし夕刻より約1時間、淡い緑色の蛍光色を発するオーロラを観ることが出来、その自然の美しさに現実を喪失、唯感嘆のみ。
