鍋料理の恋しい季節です。 今宵はすっぽん料理です。 しかもトキオの新宿です。 昨年完成した副都心線に渋谷から初めて乗ってみます。 駅も線路も新しくって気持ち良さげです。 ガードから頸を出して線路の幅を見ると狭軌です。 トキオのメトロって、全てJRと同じ狭軌なのかな？ 上を見ると、架空電車線方式です。 あとで調べてみると、トキオのメトロは丸ノ内線と銀座線の第三軌条方式を除いて、すべてこの架空電車線方式だそうです。 路線案内を見ると、この副都心線って渋谷から山手線の内側を走って池袋に到達して、そのあと小竹向原からは有楽町線を走って和光市に至ります。 池袋までは山手線と併走する形です。 人が多いからこんな新線作ったんでしょうか。 この新しい線の新しい電車、車両間のドアが透明で綺麗です。 とても電車のドアとは思えません。 新宿三丁目で丸ノ内線に乗り換えて、西新宿駅に降り立ち、東京医大の前を通って、新宿オークタワーに参ります。 こんなビジネスビルの一階に果たしてお店があるんでしょうか。
広いロビー空間を横切りますと奥の角になんだかそれらしきお店が。 ご主人でしょうか、拙らを出迎えのため店先に立って待って居られる模様。 迷わずに来店出来ましたよ。 お店も新しくって嬉しいな。 どうも今宵は拙らだけの模様です、お客は。 個室に通されます。 予め頼んでおいたすっぽんコースがサーブされます。 お酒はとりあえず生ビール、そして冷や酒をお願いします。
乾杯です。 う〜ん、連日のアルコールにも関わらず、やっぱり美味しいね、冷えたビールの一杯目ってのは。 最初のお料理何ですか。 これは唐揚げですね、すっぽんの。 脚肉と甲羅です。 これは美味しい。 トラフグの唐揚げも美味しいですが、すっぽんの唐揚げも美味しいですね。 どちらもあっさり系の食材ですから、唐揚げにすると味が引き立ちます。 すっぽんの甲羅は原始形態ですから中心部だけ骨格があり、周辺は例のえんぺらの柔らかい部分になっています。 その唐揚げで、まさに甲羅を手で持ってむしゃぶりつくとよけい美味しい。
次なるは、早お口直しのどこやらの海苔の酢の物でしたか、兎にも角にも美味しくって、唐揚げのまさにお口直しです。 一口でするっと行きます。
そして、丸鍋です。 え〜、もう丸鍋？ このコースってこれでお終い？ いささか不安になります。 でもいただきます。 骨入れの器にお出汁を取っていただく方が、直で木匙でいただくより良い感じです。 このお出汁はどちらかというとあっさり系。 いわゆる生姜と酒と醤油のすっぽん定番の出汁ではありません。 う〜ん、このすっぽん鍋美味しいね。 すっぽんは佐賀県産だそうです。 ご主人全国津々浦々ひたすらすっぽん行脚の果てに佐賀県にてすばらしいのを見つけられたとか。 佐賀県産1Kgのすっぽんのみ使用だそうです。
話題はいつしか刊行本のミステイク。 いつぞや訪れたキューバのハバナの旧国会議事堂こと「カピトリオ」。 旅行案内本は横並びで、アメリカ・ワシントンのホワイトハウスそっくりと記載してある話です。 ホント、アホですよね、出版社。 真実は、ワシントンの国会議事堂そっくりなんですよね。 ホワイトハウスと国会議事堂の区別も付かないなんて、先日のオバマ大統領の就任式見るまでもなく、常識ですよね。 しかも全ての本が横並びってのは、ろくに確かめもせずに、他所の本の内容をパクってる証拠です。
そして、最近出版された「ミケランジェロの暗号」って訳本。 内容はすばらしく、全く知らなかった知識とか、今まで誤って憶えていた知識を一新させてくれたのは良いんですが、この訳者というか、まあそうですよね、訳本校正の最終責任は訳者ですからね。 凡ミスというか誤植というか、しかし今どき誤植じゃないですよね、ミスタッチとでもいうんでしょうか。 惜しいですね。 最初の方、分娩のラテン語、partus が正しいのに、何でかな、ラテン語知らなくてもおかしいと思いますが、paruts ってプリントしてあります。 ラテン語なんてわざわざ併記したのが運の尽き。 それと目に付いたのが、本の後の方、ドイツの傭兵集団「ランクツネヒト」って何ですか？ 最初、どこかの天皇陛下の名前かと思いました。 思わず吹き出しましたよ、訳者のおじさん！、と思ったらおばさんでしたか。 正しくは「ランツクネヒト」でしょう。 しかしこんな誤植とかミスタッチとかしてると、折角の元の良い本を貶めますよね、まったく。 正に校正恐るべし。
話が横道へ逸れましたが、すっぽん料理です。 丸鍋でコースお終いかなとかワイワイ言ってるの、ご主人隣で聴いてられたのかして、これからコースの説明申し上げます、ですって。
次なるは、すっぽんのすり身と鶏のすり身を合わした白玉の煮物です。 これはまたまた変わったお料理です。 白玉の中にすっぽんと鶏肉が入っています。 すっぽんって鶏肉と蛙肉に似てますから合うのかも知れません。 美味しい。
で、やっと生ものです。 すっぽんのお刺身です。 何だかこのお店のコース、逆のような気もしますが、ご主人のポリシーですから仕方ありません。 雌はいっさい使わないそうです。 卵を産むから身が痩せるとか、味が落ちるとか。 精巣、腸管、肝などです。 胡麻油と行くのがいちばん美味しいです。
そして、これは何ですか？ パスタです。 すっぽんの煮こごりを添えたアルデンテ。 すばらしい発想です。 参りました、ご主人さま。 味わいの一品です。
漬け物とすっぽん雑炊風です。 湯葉が入っています。 これも新鮮なお料理です。 色々工夫のあとが見えて嬉しいです。
デザートをいただき、あ〜満足です。 お腹もくちくなりました。 丸鍋でお終いかと思ったのが杞憂に過ぎなくって良かったです。 しかし普通いきなり丸鍋のサーブは無いと思いますが、ご主人にやられましたね。
期間限定ですっぽん料理のコース、お安くいただけて、ハッピーでした。 場所的には少し変わった位置ですが、まあメトロに乗れば直ぐですし、良かったです。 新宿南口にもあるらしいですが、こちらが本店で個室もあって良かったです。 しかし今宵は拙らだけのためにわざわざ店を開けていただいてスミマセンでしたね、ご主人さま。 また機会があれば訪れたいと思います。 ご馳走さまでした。
02/02/2009 記