誤航様久しぶりにお迎えです。 何やらこの間から誤航様の味覚が全くダメで、アナゴとウナギの区別もつかないとか散々コケにされてお友達の同情を買っていた模様。 誤航様は心のお広い方ですのでそんなショーもない事に腹なんかお立てになりません。 単に矛先が海虎様から誤航様に向いてるだけやとアッケラカン、いやはや脱帽です。 東京に居る時はなあ、蒸したふっくらしたヤツなんぼでも食べてたんや。 ひょっとして、関東方面ではウナギを一旦蒸しますから、「白焼きウナギ」と「蒸しアナゴ」の区別がつかなかったんじゃァないでしょうねェ。
海虎様宅へ何回も携帯しますが誰も出てきません。 四八がひょっとして海虎様の行き先知らんかいな、と誤航様、四八宅へ携帯です。 ゴルフちゃうかとのこと。 ついでにパソコン買ったとかの話しになって、さっそく四八宅へ向かいます。 ヨット行かへんのかいな、いや昼からトキオに行かんなんねん、そーか、ゴクローさん。 厚かましく散らかってるトコ上がり込みます。 ありました、ノート・ブック型のパソコンと最新式のプリンターが高い台の上に載っています。 誤航様、さっそく触りまくります。 難儀な人ですねえ、人のモン勝手に触って、壊したって知りませんよ。
さあハーバーへ171で向かいます。 間もなくと云うところで、誤航様の携帯に頭坊様から電話です。 今どこ？ 鼠海と一緒にあと10分くらいです。 離嬢と一緒やねんけど、弁当人数分買うて来てンか、無牙から電話で彼奴らこっち向かって来るんや、あのヨットにみんなで乗る事になったんや、それであっちの食べもんはあるけどこっちの用意せなアカン。 そうですか、それはそれは。 丁度弁当屋さんがありました。 和風弁当四つゲットです。
ノミに行きますと、頭坊様と離嬢が艇のエンジンもかけないで薄暗いトコで、離嬢の例の到来物のスジコとタラコを肴にビールを飲んでいます。 さっそくいただきます。 もうこれはナニが何やから食べられへん思うてたんですがね。 鮭だけは焼かんとアカンのであきらめます。 トランパック・スペシャル組は昨日も練習して、この艇に泊まり朝から大浜へ行った模様。 なんでも今日は練習の成果を見せてくれるとか。
若者隊到着です。 ポンツーンに横付けします。 せっかくだからお昼をノミで食べてから練習に出かけることになりました。 若者隊沢山乗ってます。 無牙、緩海、遅海、道恐、眠海、たむりん、福チン、ほ○、それにじゅんちゃんと若○です。 彼らはお握りと鶏玉子とじです。 朝からノミで無牙が段取りした模様です。 こちらのオールド四人は和風弁当をいただきます。 しかし今日は寒いねえ。 それに少し天気が悪い。 小雨まじりです。 そうそう、あのトランパック・スペシャル組の紅一点が脱落した模様。 やっぱり無理でしょうね、半端じゃダメですからね。
ささっとお昼をいただいて、ホイットブレッド払い下げ艇の水線長60フィートで出航です。 その前に艇内を見学です。 がらんどうの内装なしでパイプ・バースが並んでいるだけです。 チャート・テーブルはコクピットの前下方、後ろ向きです。 トイレはまさにヘッドにカーテンの仕切だけです。 マストの後下方にギャレーがあります。 しかしヨーこんな艇で世界一周レースなんかに出るなあと思います。
さあ離岸です。 誤航様、やっぱり思ったことをしてくれます。 ねえねえ、ちょっとラット握らしてえな。 まったく。 ニコニコ顔で得意そう。 相対的に軽いし、船底がフラットだし、スッとスピードが出ます。 ラットは左右についています。 舵輪と舵を結ぶワイヤーとかコートランドもデッキの上を這っています。 ラダーは一番後尾にアウト・ラダー形式でついています。 まるでディンギーです。
さあ今日は何でもスピン・ジャイブの練習成果をお披露目とか。 マストは8分の7リグのタイプで、ランナーがついています。 このランナーがわずらわしいので、メンスルは特注でランナーのところまでしか高さがない様にしてあります。 この方が扱いやすいですからね、ランナーを張りっぱなしにできますからね。 さあスピンが揚がりました。 小さなスピンです。 今日はこれでジャイブの練習です。 小さいといっても水線長60フィートですから、やっぱり大きなスピンです。
左クオーター・リーの風を真追っ手から受ける様に進路を変更します。 メンスルを中央に引き込みます。 スピン・ポールの根本を上げ、先端を降ろしバウに引き寄せ、ポートのアフター・ガイを外し、スター・ボーのに付け替えます。 ポールを後方へ引き、再び右クオーター・リーの風を受けます。 しかし、しかしですよ、この文章通りにスムーズには行きません。 何回もジャイブを繰り返しますが、一回たりとも上手くいきません。
結論的には、この若者隊、（1）連携プレーが全く出来ていない、（2）自分の持ち場をしっかり守れない、（3）セールの各部、シートやハリヤードやガイの名称が判ってない、（4）基本的にジャイブの本当のやり方を知らない、等々がちょっと眺めただけで見て取れました。 こんなんでトランパック・レースなんか行けないような気がします。 「指導教官のじゅんちゃん」も心配そうです。 拙が慰めます、トランパックではスピン一回上げてしまえば基本的に貿易風を同じ方向から受けるので、ジャイブは不要。 風が落ちた時にフォア・ステーにスピンがからみつかないようにスピン・ネットだけフォア・ステーに揚げておけばなんとか行けるでしょう、と。 まあしかし風をシークして何回かジャイブする必要もあるかも知れません。 もっとちゃんと基本から学ばなきゃダメですね。 紙にでも手順を書いて、アフター・ガイとフォア・ガイ、アフター・ガイとスピン・シート、フォア・ガイとポール・リフター、等々の関係を知ってちゃんと連携しなくっちゃね。
何度目かのジャイブの準備で、左クオーター・リーの風で、ポールは左側、アフター・ガイの下に風上側のスピン・シートが廻ってしまって、このままではジャイブできません。 もたもたしているうちに、あっ危ない、すぐ前方に定置網が延々と。 すぐ右へ舵を取り、避けます。 ところがスピン・ダウンがなかなかできません。 危機一髪のところ危うく助かりました。 どっと降ろしたスピンは当然水浸しで、大勢で引き上げます。 あ〜あ、疲れましたね、引き返しましょう。
港に着く頃には陽もすっかり落ち、真っ暗です。 お疲れさまです。 無牙とじゅんちゃんは西宮で離艇します。 若者隊はこれから大浜まで回航しなけりゃなりません。 ゴクローさん。
12/08/2002