(無牙 記)
8年近く前、カナディアン・ロッキーの氷河に行った時の事を思い出しました。
第1日目 1993年5月16日（日）
東急東横線、元住吉（神奈川県川崎市で隣り駅の日吉は慶応で有名）のワンルーム・マンション（単身赴任中）を出て横浜へ10数分。 スーツケースは予め宅急便で空港に送ってあるから、皮ジャン・ジーパン、バック・パックを背に「ふらっとそこまでスタイル」で出かける。
16:31発、成田エキスプレスで1時間20分、成田空港第2旅客ターミナルビル駅着。 カナダドル(C$)にチェンジ。 為替レートは1C$＝\90（今なら\76）。 スーツケースを受け取りチェックイン。 腹減ったのでビール軽っく3杯と軽食をとりつつ、21:00発JL 016便ヴァンクーバー(Vancouver)行きを待つ。 さあ搭乗、EXECUTIVE CLASSはちょっと楽ですね。
さっそくブランデーをしこたま飲みつつ和食を食います。 01:00から3時間ほど睡眠。 04:30軽食を食ってると、もうヴァンクーバー国際空港着05:25です。 おっと▲16時間の時差なので現地は、まだ日曜の13:25。 8時間25分の旅でも、僕は通常「アルコール推進ワープ航法」をチョイスするのでアッという間です。
入国手続き、バゲッジを受け取って、カルガリー(Calgary)への便を待ちます。 ヴァンクーバーは快晴、18℃だけれど湿気があり蒸し暑い。 15:00発AC（エアーカナダ）216便でカルガリー着17:20。 ブリティッシュ・コロンビア州のヴァンクーバー（太平洋標準時に属す）とアルバータ州のカルガリー（カナダ山岳標準時に属す）は1時間時差があるので実質は1時間20分。 バスに乗り18:05発でバンフ・スプリングス(BANFF SPRINGS)まで約2時間。 19:55に着きましたが、成田を21:00に出発してから約14時間。 日本時間では翌日の10:55だからちょっとシンドイね。 夕食を食ってホテル内を散策します。
バンフ・スプリングスはカナディアン・パシフィック鉄道会社(C.P.RAIL)所有、1888年に鉄道旅行者に供する目的で造られたホテル。 250室のホテルは当時世界最大として驚かれたとか。 現在もバンフ国立公園内のリゾートホテルとして世界的に有名ですね。 古いけれど室内の家具調度品がクラシカルで気に入りました。
そうそう併設のバンフ・スプリングス・ゴルフコースは、景観の美しさと雄大さで、世界的にも有名な伝統あるゴルフ・コースらしいですね。 しかもグリーン・フィーC$57は安い。 でも季節によっては「エルク(ELK)とかリス(SQIRREL)」の雲古だらけと聞いていますが。 23:00にベッドに入るが眠られません。 ベッドはフカフカで広くって快適なのだけれど。
第2日目 5月17日（月）
結局3:40-4:30の1時間眠ってもう起きました。 僕はあまり眠られなくても少しも気になりません。 06:00からホテル周辺の景色を写真に撮りながら散歩。 う〜ん、日本ではあまり見ることができない広大な敷地のホテルです。
07:00ホテル内メザニー階（中２階）「アルハンブラ」で朝食。 昼食もホテル内ロビー階（１階）「ロブ・ロイ」(ROB ROY)で。 山中で周りには何もなく、車がないとダウンタウンにも行かれませんからね。 ロブ・ロイはスコットランドの古いお屋敷風の渋い雰囲気。 ディナーでは上着とネクタイがいるそうですが、そんなもの持ってきていませんよ。
一服後バスに10分ほど乗って「ボウ川」(BOW RIVER)の「鱒釣り」に出かける。 約2時間川岸からキャスティングを続けましたが釣果ZERO。 ガイドのJimもRayもボウズ。 雨が降ったからか、川も濁っとるし、最初から全く釣れる気配もなし。 それでも景色は良いし、野生のエルクが居るし結構満足。 付近をVIA RAIL CANADA（カナダ太平洋鉄道：C.P.R.）が通っている。
そう言えば昔、開高健がこんな所で「フラッグ・ストップ」をするシーンが、某洋酒メーカーCMであったなあ。 著書「もっと広く」やったか「もっと遠く」によると、北米南米大陸を、アラスカからフエゴ島までを、釣りをしながら森羅万象、鳥獣虫魚をルポして行こうと言う企画。 スポンサーの某A新聞社の予算が心細く、開高健自らが某S社のS社長に談判したところ引き替えに出たCMらしい。
それからボウ川と言えば、「帰らざる河」(RIVER OF NO RETURN)のあの激流下りはこの川なんですよ。 ホテルの北側直ぐ下のボウ滝(BOW FALLS)マリリン・モンローとロバート・ミッチャムと少年がインディアンの弓矢を避けながら必死で下る。 あのシーンですよ。 50年近く前の映画ですね。
夕方からはバンフのダウンタウンを徘徊。 人が少ないなあ。 カナダには日本人も多いです。 「コヤマ」（お土産屋の総合デパート風、何でもある）「北極」（カウチン・セーターが良かった）とかの名のお店があります。 でも、なんちゃってもウッシッシ。 「OK GIFT SHOP」は頬が緩んじゃうねえ。 前に「巨泉の」が付きますね、知ってますね。 19:30ホテル、アーケード階（地下1階）寿司＆しゃぶしゃぶの「侍」で寿司を食います。 僕は全く現地の食物の方に興味あるんですが、お付き合いもしないとね。「Kokanee」という地ビールは旨いです、でも寿司なら日本酒。
食後、タクシーを呼んで再びダウンタウンで猛烈ショッピングです。 買いまくりモード突入。 かなり緯度が高くこの季節は日がなかなか暮れません。 23:00にホテルへ戻りバーで更に飲酒関係の探求です。 01:00から1時間くらい日本じゃ観られないTVを観て、02:00から2時間半ほど眠りました。 偉いっ、昨日の倍も眠られた。
第3日目 5月18日（火）
04:20起床。 07:00メザニー階「アルバータ」で朝食。 昼食は「ロブ・ロイ」。 14:15国際免許を持っているKに、レンタカーを運転して貰い、バンフ・インデアン・トレーディング・ポスト(BANFF INDIAN TRADING POST)へ。 インディアン・グッズの専門店でモカシン・シューズを始め、白クマ、ビーバー、羊などの革製品が豊富。
次はバンフの南約4Kmにある標高2,286mのサルファー・マウンテン(SULPHER MOUNTAIN)へ。 C$7のゴンドラに乗って約8分で山頂、寒いですが展望台からの景色はまさに絶景。 野生の山羊(MOUNTAIN GOAT)やリスも見かける。 でも餌付けしちゃあ駄目だと思います、僕は。 ここにも土産物屋があるので物色しよう。 夜はホテル内で済ませ、レンタカーでダウンタウンへ繰り出す。 22:30ホテルに戻ってピザ＆KOKANEE BEER。 今日は01:00から06:00まで5時間も眠られました。 また前日比倍増です。
第4日目 5月19日（水）
06:00起床。 07:00朝食。 いよいよ今日は「朝バスに乗ってアサバスカ氷河」(ATHABASCA GLACIER)に行きます。 コロンビア・アイスフィールド(COLUNBIA ICEFIELD)は総面積約325平方キロメートル、北極圏を除けば地球上最大の大氷原。 その中で約3%を占めているのがアサバスカ氷河で全長約6.5Km奥の方は氷の厚さが310mもあるそうです。
08:10出発。 まずバンフから大陸横断道路：国道1号線(Trans-Canada HWY)を北に約60Kmにあるレイク・ルイーズ(LAKE LOUISE)へ。 氷河から溶け出た水でできたエメラルド・グリーンの美しい湖。 1882年先住インディアンに教えられるまで、ほとんど知られていなかったとか。 ヴィクトリア女王の4番目の娘の名が付けられた。 ここは誰が写真にとっても良いのが撮られそうですよ。
さらにアイスフィールド・パークウェイに入り約34Kmにあり、山から3方向に流れ出す氷河の形がカラスの足に似ていることから名が付いたクロウフット氷河(CROWFOOT GLACIER)を道路から遠くに見る。 クロウフット氷河の溶けた水が集まってできたボウ・レイク(BOW LAKE)はボウ川の源流。 インディアンがその昔、岸辺の柳で弓を作っていたことが名前の由来とか。
ミスタヤ渓谷(MISTUYA CANYON)に降りてみると、この景観も素晴らしい。 ロッキーは自然が満喫できますね。いよいよアサバスカ氷河へ到着。 スノーコーチ（雪上車）に乗り込み氷河の中腹まで踏み込んでいくことができる。 ゴッツイタイヤですねえ。 氷河はマウント・アサバスカとマウント・キッチナーの間に壮大な姿で、圧倒的な迫力で迫る。 氷河が溶けだした小川の流れは凍てつく冷たさ。 氷河は当然観ていても動きません。が、年間平均で15mくらい動くんだぞ。 アサバスカ氷河のアイス・フォールでは年間125m動く（34cm/1日）。 氷河の中央部の表面は外側や底部より動きが速いらしい。
このアサバスカ氷河の端は1870年から比べて約1,600mも後退しているらしいが、この足の下の氷が出来たのは800年も前だとか聞くと、今にも突然動き出しそうで少し恐怖感を感じる。 氷河に来てその上に立つが、感心する以外することない。 バンフに戻り16:30再びダウンタウンに繰り出す。20:15-22:15「ロブ・ロイ」でディナー。 ネクタイないけれど文句は言われません。 22:15からは、ホテル内のショッピング。 23:45-03:30就寝
第５日目 5月20日（木）
04:00風呂。 05:00バゲッジを出し05:20朝食。 今日はヴァンクーバーに戻る。 06:10ホテル前をバスで出発。 カルガリー空港に07:55着。 カルガリーは1988年冬季オリンピックで世界中に知られましたが、本質はカウボーイ達の町ですね。 カルガリー・スタンビートは北米最大のカウボーイの祭典です。
僕は小学校の頃から時代劇より西部劇が好きだったなあ。 「ローハイド」「ララミー牧場」「拳銃無宿」と言ってももう大半の日本人が知らないね。 これはTV劇、映画では「駅馬車」「OK牧場の決闘」「アラモ」あっ、さっき言った「帰らざる河」もモンロー初の西部劇映画でした。 クラーク・ゲーブルとの競演作「荒馬と女」は遺作でしたかねえ・・・。 切りがないので止めておきましょう。
空港で\をC$にチェンジしますが、93円です。 09:00カルガリー発AC205便で10:20ヴァンクーバーに着くと時計を1時間戻します。 バスに乗り、「STANLEY PARK」に行きます。 スタンレー公園は、脂海が新婚旅行で訪れ、英語力を発揮して「WHERE IS A STANLEY KOEN?」とぶちかました事で有名ですね。 日比谷公園の約25倍（400ヘクタール）と言われてもピンときません。 取りあえず東端にあるトーテム・ポール・パークとロイヤル・ヴァン・ヨット・クラブだけ押さえておきましょう。 公園のシーフードレストランで昼食。 ホテルはPAN PACIFIC VANCOUVERです。 ここはウォーター・フロントに建つ超近代的ホテルでバンフ・スプリングスとのギャップがまた良い。
シーバス・ターミナルの東の一帯、ヴァンクーバー発祥の地ギャスタウン(GASTOWN)をぶらぶらし土産物など買います。 19世紀風の建築物が多く残っており雰囲気在ります。蒸気時計なんて聞くのも見るのも初めて。 18:40、バラード入江(BURRARD INLET)への約3時間のCRUISING。 真っ暗でビルの夜景以外景色も見えない。 夜景は「六甲の百万ドルの夜景」「自宅からの大阪湾の夜景」見慣れているからねえ。 ぞれとデカイ船なので、ただのレストラン船でいまいち。 さっさと降りてダウンタウンへラーメンを食いに、超不味かった。 しかしヴァンクーバーは緑が多く、清潔で治安も良いから好きです。 22:30ホテル。 24:30就寝。
第６日目 5月21日（金）
07:20起床めずらしく7時間も寝ましたねえ。 09:40レンタカーでダウンタウンへ出かけファースト・フード店で朝食。 北に30分ほど走れば、緑豊かな「キャピラノ吊り橋」(CAPILANO SUSPENSION BRIDGE)です。 キャピラノ渓谷の急流にかけた全長137m、高さ70mある吊り橋。 周りは公園になっていて、ここでもインディアンのトーテム・ポールがそこかしこに。
サーモン孵化場(SALMON HATCHERY)は更に坂を上っていくとあります。 採卵から孵化そして放流までの過程が日本語でも表示してある。 夏から秋の産卵期にはキャピラノ川を上ってくる鮭を見られるらしい。 この吊り橋と孵化場は一見の価値あります。 12:30ピザで昼食。
14:00、1915年創立のブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)のCO-OPへ。 ここで息子達や甥っこ達用にＴシャツやジャージ、スウェットなんかを大量に買います。 安くてもしっかりした生地・縫製デス。 4万人の学生がいる広大なキャンパスは羨ましいですねえ。 国際会議の帰途、当地で客死した国際的な教育者、新渡戸稲造博士を悼んで造られた日本庭園はキャンパス内にある。
15:30-17:10グランビル・ブリッジを越えてカナダのソーホーと言われるグランビル・アイランド(GRANVILLE ISLAND)探索。 元々ここは造船所や化学工場が建ち並ぶ工業所として栄えた島だったらしい。 再開発でレストランやブティック、ホテルなどが造られ個性的な雰囲気。 なんか港っぽい素敵なマリン・グッズを狙って行ったがバッチリ。
今でも愛用しているデッキ・シューズ、リバーシブルのマリン用ジャンパー、キャンバス地にロウ引きしてある荒天用の帽子。 それと空気を入れるとライフ・ジャケットもどき、になるジャンパーをゲットした。 これには銃弾様のボンベが付いており、ワンタッチでライジャケになるような説明が。 僕はライジャケとしては本気で使う気ないのでスーツケースにぶち込みました。 圧縮気体の入った銃弾様ボンベ、旅慣れたKは手荷物で正直に申請したら空港で没収。 没収ですよ、自分の国で製造しておいて。 涙目で僕の方を見ていましたが、完全に他人のふりしてやりました。 17:20-18:30免税店。 19:20またまたお付き合いで「亀井すし」で夕食。 21:10-22:10ダウンタウン徘徊。 22:30ホテルで荷物整理。 02:00就寝
第７日目 5月22日（土）
07:30起床。 08:00朝食。 ホテル内の免税店他うろうろし、ホテル周辺を徘徊。 11:20チェックアウト。 11:30昼食。 12:10バスでヴァンクーバー国際空港へ。 13:45-14:30までショッピング。 15:15発JL 015便。 成田、日本時間5月23日（日）16:55着。 17:46 N'EXで元住吉へ。 明日からまた「なにくわぬ顔をして会社へ行かにゃあ」。
今回の土産物は凄まじかったです。 帰って整理したら「130品」。 ギャハハハハ。 しかも安いもんばっかり。 バンフでもヴァンクーバーでもまだまだ行き残した所の方が多いので、必ずまた来ようと思ってましたが。 最近は南志向になっちゃって・・・でも絶対また来ます。
お終い
03/03/2001